バイクの進角 デジタル、アナログの基本
CDIやその他の点火方式に、デジタル、アナログとか言います。
6Vの時は機械式進角もありました、クランクにウエイトをつけて遠心力で外に引かれる力を
利用して進角させる装置、遠心クラッチと同じ考え方ですね。
ホンダのCDI回路を参考にこれを少し詳しく説明します。

アナログとは一般的にLCR(コイル、コンデンサ、抵抗)の部品を使って 電圧、電流のコントロールすることを言います、
簡単ですがホンダのアナログ進角回路の基本の回路は下の回路です。

この回路で1700回転から3500回転の変化がアナログ回路で実現されてます、
Cコンデンサ35V10マイクロファラットの容量をおおきくすると下のCの文字の
11度から22度の幅が大きくなり1700回転以下の回転数では9度とかになり
Cの容量を小さくすると幅が狭くなり15度とかに変わります。
それでは抵抗Rを変えるとどうなるか、1700回転から3500回転まで斜めに傾いています、
この傾きを制御出来ます、抵抗Rを小さくするとR1のように立ち抵抗RをおおきくするとR2の用に
寝てきます。

このようにアナログでいくらでも進角制御出来そうですが下のオシロスコープの画(アイドリング時のジョルカブの
点火信号パルスのオシロの画)
山と谷が有ります、信号の時間の流れは山の信号が来て谷の信号がきます
山の最初の立ち上がりを利用しこれを上のように加工しています、山の立ち上がりの点火時期が22度です、
この22度の角度をコンデンサで遅らせることで角度制御しています。
カブの場合アナログ制御では22度より前の点火時期には理論的に進角出来ません。
(エイプ100などはこの山の点火時期が33度ですからアナログ制御で十分だと思います)

アナログ制御でパルス信号の22度より進角出来ないと話しました、
また大きな車はパルス信号が33度であると、
ぶっちゃけ、パルス信号はフライホイールから信号を受けてますから、フライホイールの
角度をずらす、信号受信コイルをずらす、鉄のプレートをずらすなどすれば点火時期は22度を超えて
進角します、機械的に進角させても、アナログCDIを自分で作るなら安上がりですが購入するなら2度手間です。

そこでデジタル進角の説明です、
大きなバイクや車の点火制御は、エンジン回転数だけでなくアクセル開度やインマニ内の負圧変化を電圧として
取り出し、走行負荷の高い時(フル加速)と低い時(巡航)で点火進角を変えます、
点火はノッキングする数度前が一番パワーが出ます、一番パワーの出るところでエンジンを使用するのが一番効率が
良いからです、
アナログ進角では、途中の進角調整は機械式の装置を付加すると可能ですが、昔のコンピューターが高価な時代の話しで
現在は小型の数百円のMPUを使えば意外と低価格で実現します。(私のCDIに使用しているMPUは200円以下です)
デジタルは単順に言えばMPUにプログラムされた計算で点火角度を計算しタイミングを自分で作ることです。
計算は単純です、ただ人間の早さに比べたら高速に計算するだけで、取り立てて難しいことはありません。
360度1回転の周期時間を測定してその時間を360で割れば1度ですから10度の点火時期を作りたいなら
それの10倍すれば10度時間で10度時間で信号を出力すればプログラムの完成です。
後はアクセル開度を考慮したいなら10度時間に1.2倍や1.3倍すればいいだけです。
用はプログラムが書ければだれでも出来ます。


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